「トーヨークリーンカッパー」反応式について
 

トーヨークリーンカッパーの反応は


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銅に酸化皮膜の生じる反応(式3)

熱によって解重合をおこしたイソブテンが、1で発生した酸化銅と反応し、銅原子に戻す反応(式4)の同時進行による反応から成り立ちます。したがってイソブテンは還元性ガスとしての働きを示し、最終的に右の反応が起こります。


1 還元性ガスの発生

有効成分の石油系炭化水素(1)は、熱によって分解して(2)(イソブテン=「還元性ガス」)を生じます。
石油系炭化水素 はこの熱分解反応が非常にきれいに進行します。
※非常にきれいに進行するとは、式1の反応だけがおこり、タール分や酸類などが発生する他の反応がほとんど進行しないことを指す。
(式1)参照

「クリーンカッパー」を用いたロウ付け作業では、まずこの反応が起こり、その後に(2)のガスが焼け止め効果を発揮します。

2 焼け止め効果の発揮

2-1 還元性ガスの反応
「トーヨークリーンカッパー」から発生した(2)の還元性ガスは以下の反応を起こします。

(式2)参照

この化学式は(2')が燃焼もしくは爆発を起こすときの化学式と同じです。しかしこの化学式には銅が登場しません。その理由は、以下のような仕組みによります。

(式3)参照「銅が焼ける」反応の化学式

2つの銅原子が酸素と結合して酸化銅になる反応です。ところがこのとき(2)のイソブテンがまわりに存在すると以下の(式4)の反応がすぐに起こります。

(式4)参照

(式3)と(式4)が同時に起こると、(式3)で生じた(3)は、式4の反応で消費されるので、見かけ上は化学変化を起こしていないように見えます。
つまり(式3)と(式4)の右辺と左辺におなじ化合物があれば、これを消した式が成り立ちます。この事情は銅原子についても同じです。以下の式で確認します。
※(式3)は6倍=(式3)の反応が6回起こったとする


(式5)参照

見せ消しの線(−−−−)を引いた部分が左右で消える物質です。上下の式を足し合わせて左右を見ると、(式2)になっていることがわかります。
「トーヨークリーンカッパー」を使用した場合も、銅原子はいったん酸素と結合し、「焼け」と同じ反応が起こります。この反応で生じた酸化銅はすぐに(2)と反応して元に戻り、純粋な金属の銅となります。これが「焼け止め効果」です。
この作用は、ロウ付け前に存在している酸化銅に関しても、同じように起こります(普通の「銅」には多かれ少なかれ表面に酸化銅が存在しています)。「トーヨークリーンカッパー」の働きによってロウ付け時に生じる酸化銅だけでなく、すでに生じている酸化銅も取り除くことができるのはこのためです。

2-2 銅の触媒効果
(2)には、燃焼や爆発の可能性があり、危険ではないか」という疑問を抱く方もいるかもしれません。

確かに(式2)の反応が、燃焼や爆発の形で起こる場合、その反応は非常に激しいものとなります。しかし銅を経由して酸素の受け渡しが起こる場合には、反応ははるかに穏和にすすみます。(具体的には徐々に、かつ低い温度で起こると考えて差し支えありません。この結果、銅はいったん酸化銅になりながらも、もとの銅に戻ります。銅原子がこのような役割を担う場合「銅はこの反応に対する触媒活性がある」と表現されます。)

銅はこのような反応をおこす、代表的な触媒です。燃焼や爆発と同じ反応がおきながら、反応が一気に進行して危険な状態にならないのはこのためです。
反応は、銅管の表面だけで起こればよいことも分かります。このことは非常に重要で、焼け止めのためには(2)のガスは銅の表面だけに存在すればよく、銅管の内部に充満する必要がありません。もし、銅管の内部全てに(2)のガスが充満すれば、銅に触媒された以外の燃焼や爆発などの反応も起きるかもしれません。
しかし「トーヨークリーンカッパー」から発生する還元性ガス(2)は、銅の表面近く、それも加熱部の近くだけに存在すれば充分で、なおかつそのおかげで安全に使用できるわけです。

もちろん銅は「銅→酸化銅→銅→酸化銅→銅→酸化銅→…」と変化するため、(2)が不足するか、酸素が多ければ、最終的に酸化銅=「焼け」が起きます。作業時に管の両端にフタをして(2)の流出を防ぎ、同時に酸素の流入を防がなければならないのはこのためです。

幸い銅には(2)を吸い付ける作用があるため(このことは「銅の触媒作用」と密接な関係があります)、反応は効率よく進行します。このため理論
的には必要な(2)の量は、銅に結合した酸素を引きはがす分だけで効果が充分発揮されるので非常に少量ですみます。このことも、「トーヨークリーンカッパー」による作業の安全性を向上させている理由の一つです。

(文責:東洋理研株式会社)

 
 
トーヨークリーンカッパーの反応式
(式1)
(式2)
(式3)
(式4)
(式5)